眼識と意識の和合作用（二）

ある色体を見る際、最初の一瞥で一瞬の間が生じます。この一瞬の間に、無数の刹那が過ぎ去ります。一秒半秒の了別を経て、初めてその色体が何であるかを知覚できるのです。仏陀は説かれました。指を弾く間に八万一千の種子が生滅し、八万一千の刹那が過ぎ去ると。この識種子の流注の速さは計り知れず、生滅の現象を感知できないのも無理はありません。生滅があまりに迅速なため、我々には現象の変化を捉えられないのです。

第一刹那、第二刹那において色塵の実体を認識できず、第三刹那、第四刹那以降になってようやくわずかに感知できるということを示しています。識別能力によっては第五刹那以降、あるいは更に長い時間を要する場合もあります。視覚に障害のある方は一分半ほど要することもあり、具体的な時間は個人の識別能力、すなわち眼識と意識の認識力に依存します。識別力が弱いほど、認識に要する時間は長くなります。近視や老眼など視力に難のある方、あるいは智慧が劣り見識の浅い方は、色塵を弁別するのに更に長い時間を要するのです。

しかし色を見る過程において、第八識は常に活動を続けています。第一刹那に内色塵が生起する以前から、外色塵の微粒子を絶え間なく伝達し続け、視神経を通じて勝義根に至り、顕色を変現します。顕色が現れた後、さらに形色・表色・無表色を次々に変現すると同時に、外色塵から四大の微粒子を継続的に摂取し、新たな顕色・形色・表色・無表色を生成し続けます。仮に第八識が一瞬でもこの活動を停止し、四大の微粒子を勝義根に伝達せず、内色塵を変現しなくなれば、眼識は即座に消滅して色塵を見ることができず、意識も瞬時に消滅して色塵を了別できなくなります。換言すれば、眼識と意識が生起しなければ、これらの識は色塵を分別することが不可能となるのです。

従って第八識は一刹那も休むことなく、絶え間なく色塵を伝達し変現し続けています。これらの色塵が後頭部の勝義根に到達すると、内色塵が顕現します。第八識が一瞬でも変現を止めれば、色塵の顕現は停止し、眼識と意識は完全に滅して分別機能を失います。色塵が存在しなければ識も存在せず、識の生起は根と塵の接触を縁として、この縁に基づき第八識が眼識と意識を変現するからこそ、我々は内色塵を認知できるのです。

色塵が消滅すれば、識の生起に必要な重要な縁が欠如し、第八識は六識を生起させることができず、当然六識の存在も消滅します。色塵が消滅する時、それまで色塵を了別していた眼識と意識は即座に滅し、識が滅すれば色塵を了別することも、対象を弁別することも不可能となります。このように第八識は無始劫来、一瞬たりとも休むことなく、倦むことなく休みなく運作を続け、我々のために無私の奉仕を果たし続けているのです。