衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年03月03日    土曜日     第7 回の開示 合計139回の開示

瑜伽師地論選講

また三種の因より生ずる有漏法の因有り。若し此の中で正理に非ずして方便を修めば、諸苦を生ずる能く、若し能く理の如く方便を修めば、苦及び因に於いて能く知り能く断ず。即ち欲界に繋がる法に於ける染汚なる希求、色界・無色界に繋がる法に於いて亦た然り。

釈:更に三種の因有りて有漏法を生ぜしむる因を成す。これによりて無漏を成就せしめず。此の三種の因とは、一に欲界に於いて自心を繋縛して解脱を得ざらしむる法に対し、染汚の意有りて心に希求を起こし、欲界の法に貪着し離るる能わず。二に色界に於いて自心を繋縛して解脱を得ざらしむる法に対し、染汚の意有りて心に希求を起こし、色界に貪着し離るる能わず。三に無色界に於いて自心を繋縛して解脱を得ざらしむる法に対し、心に希求を起こし貪着を捨てずして解脱を得ず。

此の三種の有漏法を生ずる因は、若し修行中に理の如く其の過患を観察せず、相応する方法を以て対治せざれば、遂に苦悩と生死の過患を生ずる能く。若し修行の過程に於いて能く理の如く其の過患を観察し、相応する方便の方法を以て対治し、三界への希求と欲求を遠離すれば、三界の苦因を了知し苦悩と生死の過患を断除し得。

三界の世俗法は表面六識を繋縛する如く見ゆれども、実は主として意根を繋縛するに在り。意根の三界法に執着するにより、五陰は三界に於いて出生し生存し、三界に於いて生死輪廻す。若し意根三界法に貪着せざれば、六識の貪は作用せず、況んや六識は断滅法にして投生の時に已に滅せり。

意根の貪執により業種は如来蔵に蔵され、来世必ず意根の貪執と業種の縁に依りて三界に投生す。意根欲界に貪執すれば欲界に繋縛され、意根色界に貪執すれば色界に繋縛され、意根無色界に貪執すれば無色界に繋縛される。若し意根既に欲界を貪執し、亦色界・無色界を貪執せば、色界・無色界に出生する能わず、必ず最も低き層次の貪執に繋縛される。

即ち欲界に於いて欲を断ぜんとすれば、唯だ意識表面の断欲のみに非ず、必ず内心深層の意根も亦欲を断ぜざるべからず。然らずんば初禅定有る能わず、亦欲界を離れ色界・無色界に生ずる能わず。色界・無色界への貪執に於いても理同じ。

——生如法師の開示
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