問:我々の心の中に「知」という不変の観察者が存在しますが、これは意根でしょうか?夢の中の「知」と同じですか?なぜ眠ると無くなってしまうのでしょうか?この明覚の「知」を保つことが正知なのでしょうか?
答:心の中のこの知は変化無常なるもので、多くの場合に知覚できなくなります。故にこれは生滅無常なる意識の知性です。夢の中にもこの知が存在し、これも意識の知です。しかし一切の法には同時に意根の知も存在し、ただ意根は非常に深く隠れており、その知性を発見することは極めて困難です。
この知性を保ち六塵の性質を明らかにすることは、修定の方法に属し、見道ではありません。もし明心の境界における意識の知でないならば、五陰の中に落ちる知は正知ではなく、第八識を知らず、第八識の働きを知らず、ただ生滅の法を知り不生不滅の法を知らないからです。これは意識の不正知です。真の正知は第八識の知性、如来蔵の知性であり、五陰・十二処・十八界に落ちず、漏れ無く、無明無く、生滅無常の変異性がありません。これが真実の正、徹底的で究竟なる正であり、生じることもなく永遠に滅びることもありません。
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