悟前における相似般若の修証は解脱を得ず

或る人々は日常生活において「応に住する所無くして其の心を生ず」という境地を修めんと望むが、悟りを開かず、真に住処なき心の本質を見極めぬ限り、如何なる修行をも成就すること叶わない。これは悟後の事柄であり、悟前には為し得ぬ業である。悟前にはただ自心を抑圧し、似たような般若を修するのみ。相似の智慧は真実に似たりといえども、畢竟真実にあらず、解脱を得ることは許されない。

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