四大が調和を失うと、百の病がことごとく生じ、すべての色身の疾病は四大不調によって引き起こされます。四大不調の原因は、一つには業障によるもの、もう一つには後天的な環境によるものです。四大の調和が失われるとは、四大種子の成分が変化したことを意味し、身体はそれに伴って変化を遂げ、様々な疾病が現れます。単一の大種が調和を失うだけでも、それに対応する疾病を引き起こします。例えば水大が調和を失えば、体内の水分は過多か不足となり、いずれの場合も浮腫、皮膚乾燥、腎臓病、湿疹、皮膚炎、血液粘稠、心脳血管疾患など水に関連する疾病を生じます。風大が調和を失えば、呼吸器系の疾患、風疹、リウマチなど風に関わる疾病を引き起こします。火大が調和を失えば、身体の寒熱病、冷え症、高熱、微熱など火に関連する疾病を生じます。地大が調和を失えば、カルシウム不足、四肢無力、体弱、猫背、全身疼痛など地の堅固性と支持性に関わる疾病を引き起こします。一大が調和を失うだけで百の病が叢生するのに、まして四大すべてが調和を失えば、病障は更に重層的となります。総じてこれらは衆生が無始劫に造った業が感得した果報であり、ごく稀に外界環境の変化による身体の一時的不適応が原因となる場合もありますが、多くは業障病です。業障病であれ、偶発的な環境不適応であれ、その変化はすべて如来蔵の所為であり、四大種子が如来蔵より送出され、その配合比率が変化することにより、物質色身は相応の変化を起こします。四大種子成分の変化は、如来蔵が主宰して決定します。如来蔵は何を根拠に四大種子の送出を決定するのでしょうか。一つは業種に依り、如来蔵は業種を了別し、その運行は必ず業種に依らなければなりません。もう一つは色身が触れる環境に依り、如来蔵は身根と器世間の環境を了別できるため、如来蔵はこれに依って不断に環境と身根に順応し、四大種子の構造を変化させます。このように身体は絶えず様々な変化の中にあります。あらゆる衆生の色身はこのように刹那刹那に変化を起こしており、変化しないものはなく、すべて自己の如来蔵の所為なのです。
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