世界は虚空中に建立され、虚空は如来蔵の中にあり、一片の雲が広大な空に点在するが如し。娑婆と極楽浄土は最も近くとも、なお十万の仏国土を隔てており、大千沙界の広大さ如何ばかりか。自心を制すれば即ち宇宙を制し、十方世界を制し、一真法界を制する。心を開き、その中の法を悉く悟り得れば、無量世界は汝のものとなる。実に世界を制するは即ち自心を制するに他ならず、心の外に元来法は存在せざるなり。
我々は日々に小さき世俗法に執着し、些細な事柄に心を動かすは、まことに渺小なり。宇宙虚空の中に立ちて観る時、世の中に何事か事と為すべきものあらん。何時か自らの心量を如来蔵と等しく拡げる時、十方世界海を擁するに至らん。仏は曰く「譬えば澄み渡る百千の大海を棄てて、唯だ一つの浮き泡の体を認め、これを以て潮の全体と為し、瀛渤を窮め尽くすが如し。汝らは即ち迷いの中に倍する者なり」と。仏のこの言葉を聞く我らは、真に速やかに目覚め、再び迷執すべからざるなり。
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