楞厳経原文:もし汝が分別覚観を執吝し、了知する性を以て必ず心となすならば、この心は即ち諸々の一切の色・香・味・触などの塵事業を離れ、別に全性あるべきなり。
釈:もし色声香味触法を分別する心、六塵を感じる心、六塵を観察する心に執着し、これが必ず本来の自性清浄心であるとするならば、この心は色声香味触法という一切の境界を離れ、自らの全き特性を保持しているはずです。六塵の有に従って有するものではなく、六塵の滅に随って滅するものでもありません。つまりこの心は自在の心、本来より存在する心でなければならず、六塵があって初めて現れる心であってはならないという意味です。
しかしながら、その分別覚観の心は六塵を離れると存在しなくなるならば、それは本来の自性清浄心ではありません。
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