解脱とは、煩悩を断じ除き、心が空無我となり、五蘊十八界に執着せず取らないことである。色蘊に執着せず、受蘊に執着せず、想蘊に執着せず、行蘊に執着せず、識蘊に執着せず、色に執着せず、声に執着せず、香に執着せず、味に執着せず、触に執着せず、法に執着せず、財色名食睡に執着せず、名聞利養に執着せず、世間法を貪らず、縁に随って物に応じ、功利心なく、計算心なく、報いを求めず、権勢や名声を求めない。権勢に迎合せず、自ら高ぶることもなく、奇を競い奪い取ることもなく、自らを顕示することを好まず、欺き騙すこともなく、心に計略を巡らすこともなく、一切の法に心を用いない。五蘊世間は畢竟空であるがゆえに、繋がれるものなく、障礙するものなく、取るも取らぬも得るべきものなく、枷鎖は心に着かず、自在無礙である。
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