どのように福報を最も早く修増できますか？

問：どうすれば最も速く福徳を増やせますか？専ら金剛経や楞厳呪を唱えることはできますか？

答：経典を唱えることは確かに福を生みます。この福は智慧の福であり、智慧によってもたらされる福です。福は智慧と関わりがあり、主に智慧の面に現れ活用されます。しかし経典を唱えることで生じる福が、どれほどの期間で福業の種子が成熟し、因縁が具わって福徳が現れ享受されるかは、一概には申せません。一般的に智慧の福の実現は迅速ではなく、すぐに現れるものではなく、臨終まで福報が現れない場合すらあります。戒律を守ることや禅定を修めることも福を生みますが、この福業は戒律と禅定に現れ、人の心を清浄にし煩悩をなくしますが、必ずしも財禄の福を得られるわけではなく、衣食住などの五欲の楽しみを得られるとは限りません。

福を生む道は数多くあり、善業・清浄業であればすべて福を生むため、あらゆる面の福を偏りなく修めるべきです。戒定慧だけが福を生むのではなく、財施・法施・無畏施、あらゆる衆生に利益をもたらす事業はすべて福を生みます。これらをすべて修め、いずれの面もおろそかにしてはなりません。さもなければ福が偏って具わらず、依然として不完全で欠陥があり、果報が完全に意のままにならず、ましてや悟りを開くことは到底叶いません。多くの人は経典を読んだり教法を学ぶことのみに興味を持ち、他の面を気に留めず重視しません。その結果、何年学んでも依然として元のままで、慢心を増長させる恐れがあり、慢心をより深刻にさせます。福のない人は煩悩が増す一方なのです。

実際、福を増す最も速い方法は大菩提心を発することに勝るものはありません。世尊は多くの大乗経典で衆生に菩提心を発するよう勧めておられます。これは修行の秘訣であり鍵であり、直接後世の行く先を決定します。後世どこへ行くかも、福業によって決まります。一般的に福のない人は三悪道に堕ちて苦しみ、福の大きい人は天界に昇って福を享受し、あるいは諸仏国土に往生して仏の傍らで道を修めます。中程度の福のある人は人身を得られます。大菩提心を発する人は願力が大きく、もし願力が業力より大きければ、命終には業力が主導せず、業力に牽引されることもなく、願力が主導し、願力が後世の善道や諸仏国土への行く先を決定します。したがって大菩提心を発することによって得られる福は最も速く最も大きく、成仏も最も速やかです。あらゆる福は大菩提心を発する福とは比べものになりません。