南無阿弥陀仏を唱えることと阿弥陀仏を唱えることとは何が違うのか？

南無は帰依を意味し、心から阿弥陀仏に帰依し従うことを表します。阿弥陀仏は仏の本尊の名号です。仏名を唱えるのは、仏と感応道交し、仏の加護を求め、救済の手を授かるためです。二つの念仏方法に本来違いはありませんが、二文字多いと心の働きが複雑になり、阿弥陀仏と直截に念じる方が心が単純で三昧を得やすくなります。

念仏は単に名号を唱えるためではなく、心を制して阿弥陀仏に真摯に帰依し、念仏三昧を得ることにあります。念仏三昧において初めて阿弥陀仏と感応道交し、往生の確信を得られます。故に念仏する際は心を静め専一に、仏を念じる心を保ち恭敬の念を持って唱えるべきです。心を制するため、声調を高揚させ過ぎず、気を消耗させ心の散乱を防ぎます。声を低く落ち着かせ、気を集め心神を安寧させ、雑念なく専注すれば三昧を得て仏の加護を受けられます。

念仏三昧を得るためには次の方法が有効です：徐々に「阿」の字を長く引き、弥陀仏の三字は声に出さず、心に阿弥陀仏の本尊を念じます。阿の字は外に現れ、弥陀仏の三字は心底に隠れ、一字の音が仏全体を代替し、心に雑念なく仏のみが満ちる時、三昧は容易に達成されます。