人と人との関係において、真摯な交流は意根の誠心であり、虚偽や形式的な対応は意識の偽装であります。以心伝心とは意根同士の調和的な協働関係を指し、言葉を用いずとも表現せずとも、心の奥底で通じ合うものです。意根同士が調和して協働できるということは、双方が聡明であり相互理解がある証左でございます。逆に、意識が言葉で如何に表現し説明しようとも相手が理解できない場合は、その者が未熟であることを示します。故に真の聡明さと智慧は必ずや意根を指し、大いなる智勇と謀略もまた意根に属するものであり、小賢しい知恵こそが意識の利口さに他ならず、重大な局面では役に立たぬものでございます。
人が大いなる智慧を有するか否か、情熱と知性の双方に優れるかは、必ずや意根によるものであり、意識によるものではございません。意識の計略は環境や状況が変化すれば無力となり、殊に生死の危機に際しては全く用を成さぬものであります。大いなる智慧を備える者は概して寡黙を好み、静寂を尊ぶもので、これこそ意根の持つ深沈かつ無言の本性に相応しい姿でございます。小賢しい者こそ己を顕示することを好み、様々な策略や手段を弄することに熱中するもので、これはまさに意識と相応する所業であります。
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