痒みが生じた時、脳は「掻け」という指令を発します。この指令が実行されないと、神経調節が乱れ、身体は他の方法を考え、筋肉を痙攣させて自ら痒みを解消します。
脳はそもそも何の命令も発しません。では意根か、それとも如来蔵が発した命令か? それは意根が動員した結果です。身体も自ら方法を考えることはありません。では意根か、それとも如来蔵が考えた方法か? それは意根が考え出した方法です。如来蔵は命令を発することもなければ、方法を考えることもありません。この時点ではまだ意識は生じておらず、意識が発した命令でも、意識が考え出した方法でもありません。仮に意識が存在していたとしても、人体ニューロンの自律的行為は、睡眠中にも見られ、意識は関与できず、手助けもできません。足がつる現象では、意識は後で気づくだけです。深い昏睡状態における身体の様々な反応には、いずれも意識の作用はありません。蚊が突然刺した時、意識は考える間もなく、驚いて手で叩いてしまいます。ここには意識の思考・分析・決定は全く存在せず、意識は蚊に刺されたことさえまだ気づいていないのです。
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