どのような場合に娑婆世界に留まることを発願することができますか。

娑婆のような世界には三悪道が存在します。もし娑婆世界に留まることを願うならば、最低限三悪道の業を断じ、三悪道の果報を滅し、来世において三悪道に堕ちないことを保証しなければなりません。三悪道を免れるためには三縛結を断つ必要があり、三縛結は意根が証果する際に断たれるものです。三縛結を断つ時には粗末な煩悩の結縛も断たれます。そうでなければ、来世において三悪道の苦しみを免れることはできません。意識が三縛結を断っただけでは三悪道の業を免れることはできず、意識の煩悩と三縛結は意根に依存しているため、意根が断たれなければ、たとえ意識が断じても無意味です。意識は意根に支配されているのです。

欲界の五品煩悩を断って初果向となった後、初果を証し三縛結を断つことができます。まず自らの五品煩悩の有無と重さ、断じられるか否かを観察し、それから三縛結を断つ見込みがあるか判断すべきです。そして自身の実情に基づいて誓願を立て、来世に極めて重い苦しみを受けないようにしなければなりません。もし不首尾に終わり、娑婆世界に留まることを願いながら長く三悪道で苦しむことになれば、自身が救済を待つ存在であるのに、どうして他人を救うことができるでしょうか。このような来世はまさに苦悩そのものではないでしょうか。

もし三縛結を断つ保証がなく、意識の結縛すら断てないのであれば、三悪道を免れることはできません。たとえ意識に三縛結がなくても、意根に三縛結があれば三悪道の業を免れません。さらに意根の結縛が深く煩悩が重ければ、意識の三縛結は時と場所を選ばず現れ、制御不能となるため、来世必ず三悪道に趣くことになります。そうなれば、このような誓願は三悪道に留まって苦しむことを願うのと同じです。故に誓願を立てる際には細心の注意を払い、状況に応じた誓願を立てなければなりません。自身の修行の証量と現実の状況に基づき、熱に浮かされて全てを顧みないようなことがあってはなりません。智慧は尊いものです。必ず頭を使い、智慧を開き、それから行動を起こすべきです。