衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2019年03月18日    月曜日     第2開示 合計1345開示

金剛経唯識深義(十二)

善現啓請分第二

原文:時に、長老須菩提は大衆の中に在って、即ち座より起ち、右肩をあらわにし、右膝を地に着け、合掌恭敬して仏に白して言う。希有なるかな世尊。如来はよく諸の菩薩を護念し、よく諸の菩薩に付嘱したまう。世尊よ、善男子善女人、阿耨多羅三藐三菩提心を発して、云何に応に住すべきか。云何が心を降伏すべきか。仏の言わく。善き哉、善き哉。須菩提よ、汝の説く如し。如来はよく諸の菩薩を護念し、よく諸の菩薩に付嘱したまう。汝今よく聴け。当に汝が為に説かん。善男子善女人、阿耨多羅三藐三菩提心を発して、応に是の如く住し、是の如く心を降伏すべし。唯然、世尊。願わくは楽欲して聞かん。

解釈:須菩提は即ち善現であり、釈迦仏の弟子の中で空を解すること第一である。彼は母胎の中に在ってすでに万法が空寂であることを知り、これは前世の多劫に積み重ねられた深厚な善根によるものである。彼は入胎・住胎・出胎のいずれにも迷わず倒れず、生まれたばかりの時に家の財宝がすべて空しく消失したが、これによって一切は空であることを示し、数日後にはまた自然に現れた。須菩提を長老と尊称するが、長老とは大衆の中に威望ある人、徳ある人、三毒煩悩と相応しない人を指す。須菩提は小乗の空法を修めて阿羅漢果を証得したが、世尊が大般若経を講じられた時に大乗に回心し、菩薩道を歩んだ。仏が経を講じる時は常に何らかの因縁を借りて引き金とし、題を借りて一部の経を講じられる。啓請なくして経を講じることは稀であり、特に重要な場合を除く。この経は須菩提によって啓請されたものである。

世尊は食事を終えて結跏趺坐につかれたばかりであった。須菩提は即ち大衆の中から座より起立し、合掌して仏に問うた。「希有なる世尊よ、如来はよく諸の菩薩を護念し、よく諸の菩薩に付嘱したまいます。世尊よ、善男子善女人が阿耨多羅三藐三菩提心を発して、云何に応に住し、云何が心を降伏すべきでしょうか」。須菩提は最初に世尊を賛嘆して、世の中で最も希有で得難い聖人であると述べた。世尊は確かに稀有である。一つの三千大千世界に仏はただ一尊のみ存在し、一つの日月天が四大海の下にある地獄から地球、須弥山を経て、欲界の六層天に至るまでを一小世界と称する。一千の小世界に色界初禅天を加えて小千世界とし、一千の小世界に色界二禅天を加えて一中千世界とし、一千の中千世界に色界三禅以上の天界を加えて一大千世界とする。これほどの大世界に仏はただ一尊のみであり、しかも形を留めて世に住する時間は極めて短く、前後二尊の仏が出現する間隔は非常に長い。釈迦仏と弥勒仏の間隔が最も短く56億7千万年である。間隔が比較的長い場合、数大劫あるいは数十大劫にわたって一尊の仏も出現せず、さらに長い期間にわたって一尊の仏も出現しないことさえある。ここからも世尊がまことに稀有で遭遇し難い存在であることが分かる。

——生如法師の開示
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