衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2019年03月23日    土曜日     第1 回の開示 合計1360回の開示

金剛経唯識深義(二十五)

次に十八界について見ると、六根・六塵・六識を含みます。六根とは眼・耳・鼻・舌・身・意の根を指します。眼根は浮塵根と勝義根に分かれ、地水火風の四大元素で構成されています。身体外部に葡萄の房のように見えるものを浮塵根(外眼根)と呼びます。後頭部に位置し視覚神経と連なり、視覚を司る大脳後頭葉皮質が勝義根であり、眼識が生起する所です。勝義根が損なわれると、たとえ外眼根が健全でも物を見られず、これを俗に「開眼の盲人」と呼びます。眼根は受精卵段階において如来蔵が母体の四大元素(栄養)を吸収して形成される生滅無常の法であり、虚妄なる苦の性質を具え、無我性を有します。

耳根も浮塵根と勝義根に分かれます。身体外部に新巻貝のような形状で現れるものを浮塵根と呼び、聴覚神経を介して大脳後部の聴覚皮質と連結する部分を勝義根と称します。ここに耳識が生起し、胎児期に如来蔵が母体の栄養を摂取して形成される生滅無常の法であり、虚妄なる苦の無我性を具えます。

鼻根は浮塵根と勝義根に区分されます。体表に双嗅球あるいは懸胆状に現れる浮塵根は匂いの受容器であり、嗅覚神経を経て大脳皮質に伝達され鼻識が生起します。後頭部の大脳皮質が勝義根として嗅覚を司り、受精卵段階に如来蔵によって形成される生滅無常の虚妄法、苦なる無我性を有します。

舌根は四大元素から成り、浮塵根と勝義根に分かれます。体外に現れる半月状の浮塵根は味覚受容器であり、味覚神経を介して大脳皮質に伝達され舌識が生起します。後頭部の大脳皮質が勝義根として機能し、受精卵期に如来蔵によって形成される生滅無常の虚妄法、苦なる無我性を具えます。

身根は四大種より成る三十六物の集合体です。外相十二物(髪・毛・爪・歯・目垢・涙・涎・唾・糞・尿・垢・汗)、身器十二物(皮・膚・血・肉・筋・脈・骨・髄・脂肪・膏・脳・膜)、内類十二物(肝・胆・腸・胃・脾・腎・心・肺・生蔵・熟蔵・赤痰・白痰)より構成されます。各部位の皮膚・筋肉・内臓の感覚は神経を経て脊髄から大脳皮質に伝達され、身識が生起します。後頭部の大脳皮質が勝義根であり、この部分が損傷すると全身が麻痺し植物状態に至ります。肉桶状の浮塵根は肉眼で確認可能であり、生滅無常の虚妄法、苦なる無我性を具えます。

——生如法師の開示
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