様々な色彩が現れた際、意根が紫色を選択すれば、六識はひたすらその色を注視し続け、もはや他の色を見向きもしなくなります。意根がこのような選択をするということは、意根が諸々の色彩の差異を弁えている証左であります。すなわち意根は六塵全体に触れ、六塵に対する一定の勝解力を具え、六識をして専注せしめることが可能です。これは意根が常に触作用を有していることを示し、故に意根もまた定を具えていると言えます。もし意根に定がなく他の塵境に移ろうものなら、六識は直ちに元の塵境から消失するでしょう。
数多の花の中から殊更に好むスミレを探し求めるのは、意根に欲望が存在し、欲心所を具えている証です。もし意根がスミレを見ようとしなければ、六識はスミレを探す働きを生じません。意根に所不到の処あれば、六識は決して現れないのです。
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