五つの遍行心所法は、識心の運行に普遍的に随伴し、識心の存在する一切の処に遍く、識心の存在する一切の時に遍く、識心の運行する一切の地(三界九地、及び第八識の涅槃中)に遍く存在する。
触心所法は、識心をして相応する法と接触連繫せしめる。作意心所法は、識心をして所縁の法に注目せしめる。受心所法は、識心をして所縁の法を領受せしめ、感受を生起せしめる。想心所法は、識心をして所縁の法の相貌を了別せしめ、執着性を出生せしめる。思心所法は、識心をして択び起こし、行為造作を行わしめる。
八つの識心は全てこの五種の機能作用を有し、識心の作用は必ずこの五種の形式によって現れ、当然ながら他の心所法の形式によっても現れる。識心そのものは形なく相なく、見ることができないが、この五つの機能作用と他の心所法の作用は意識によって観察され識別され得る。意識がこれらの機能作用を識別する時、識心を識別し、識心を証得することになる。
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