意根の了別する範囲は広く、全局を掌握し全体を統べ、宏観を把握して戦略性を際立たせます。一方、意識の了別範囲は限定的で、局所的・微細的・深層的なものを掌握し、戦術性を顕著にします。意根に智慧ある者は指導者や将軍に適し、意識が聡明な者は参謀や部門長に適し、具体的な事務管理を担当します。両者が結合すれば上下自在、広細兼ね備え、戦略と戦術を併せ持ち、向かうところ敵なしとなります。
大将軍の気概ある人とは、即ち意根に智慧と経験を備えた者です。科学研究に携わる者は意識が細微に至るまで行き届きます。故に人の気勢・風格・度量・教養は多く意根にあり、主に意根を指します。これは学んで得られるものではなく、急いで習得できるものでもありません。意識で装おうとしても長くは続きません。生来備わったものこそが人の特質であり、即席で学べるものではなく、偽装し得ないものです。
仏教界の発展と総体的方向性を正確に把握し得る者は、必ず久学の菩薩です。長く学ぶ故に意根が経験豊富で見識広く、新学の菩薩よりも仏教と修行の歴史を深く理解し、仏教界の現象を見透かせます。よって何が如法で何が不如法か、仏法の利弊を明察し、衆生の根機利鈍も明瞭に見極めます。これらは全て意根の功績であり、もちろん意識の分別思惟から離れるものではありません。
新学の菩薩は経験浅く煩悩重く、仏教界の事柄を見通せず、衆生の根機利鈍を見分けられず、法の方向性と利弊を理解できません。往々にして問題を表面的・浅薄に捉え、透徹した見解を持たないため、誤りが生じやすく、人事を見誤ることも多くなります。
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