末那識の恒常審慮思量の性質は、無始劫以来このように運行して参りました。常に我執を固持し、絶えず自己の利益を最優先に考え、自らの目的を達成し、願望を満たす方法を審らかに計量しております。遭遇する一切の法を取捨選択すべく終始衡量を続け、思量を終えた後には取捨造作を決定いたします。ただし、六識という道具立てが必要であり、末那識自体は造作できず、ただ六識を主導して身口意行を造作し、阿頼耶識が刹那刹那にこれを配合して参ります。末那識が我執を降伏させ識を智に転じた後、初めて自我に対する思量性と衡量性が減少し、もはや自己の私利を中心に思量と決択を繰り返すことはなくなります。
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