六識の了別は意根による

ある者は意根がただ法塵に縁るのみと説きますが、五識が五塵を了別するこの事柄は、いったい誰が主導し、どのような因縁によって生起するのでしょうか。六識の出生および六塵における了別活動はすべて意根の主導によって現れ出るもので、意根が六塵において何かを造作したいと欲するが故に生じるのです。五識が五塵を了別するのも同様に意根の主宰決定によるもので、例えば眼識が常に特定の色彩に随って運転するのは、いったい誰が決定し指揮しているのでしょうか。それは意根がその色彩に興味を抱いているが故に、眼識がその色彩に随って運転するのです。耳識が常に粗燥な声塵を追い求め、轟隆轟隆という響きに注意を向けるのは、誰の決定と指揮によるものでしょうか。これもまた意根の操作によるもので、意根がその音声を特別と感じ、了別し明らかにしたいと欲するが故に、耳識に継続的に注目させ了別させるのです。

大多数の者は、自己（意識）が知らない法は存在しないと説きますが、実際に存在する法が必ずしも意識に知らせるとは限りません。意識が知らない法を、意根は知っております。意根は縁を得て、おおよその概略を了知することができます。ある法は意識六識に知らせることができない場合があり、その原因には幾つかあります。一つは意識に感知する智慧がないため、一つは意根に意識を知らしめる智慧がないため、一つは縁が具足せず意識が知り得ないためです。またある法は六識に知らせる必要がありません。それは意根が詳細に了別し処理することを欲しないからです。無数の人々は六識を自己と見做しておりますが、実のところ真の仮我は依然として意根にあり、六識ではないのです。

我思う故に我あり、これは意根を指します。深層の思惟、内心のその種の思想観念は、すべて意根のものであります。一般の者は「我知る故に我あり」と説きますが、この「知」は六識を指します。六識が知らない時、意識は自己が存在しないと感じます。しかし六識が知ろうが知るまいが、内外の六塵は存在し続け、無数の法は存在し続けます。たとえ六識が知り得ても、知り得る法はさほど多くなく、了別する範囲は限られているのです。