楞伽経原文:其の余の諸識は、生滅有り、意・意識等なり。念念に七有り。実ならざる妄想に因りて、諸の境界を取り、種種の形処を計著名相す。自心の現ずる所の色相に覚えず、苦楽に覚えず、解脱に至らず。名相の諸纏は、貪を生じて貪を生ず。
釈:如来蔵の自性清浄心を除き、其の余は全て生滅有る意根と意識等である。衆生の念念には七識心の生滅変異無常性が現われる。法界実相を知らぬ故に虚浮の妄想を生じ、境界を真実と執取し、六塵の種々の形色相貌を執取し、更に名言名相を付与する。これら全ての境界相貌が自性清浄心の現じた仮相であることを知らず、此の無明によって境に執着する苦楽に覚めず、苦楽有るが故に解脱を得られない。衆生は無始劫より世俗の名相に纏縛され、種々の貪愛の煩悩を生じる。
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