問:時々、自分の心の行いが良くなく、法にかなっていないと分かっていても、抑えきれず、良くない心の行いを表に出してしまいます。後で後悔はするものの、次に同じようなことが起きると、やはり自分を制御できません。どうすればよいでしょうか?
答:これは意識が自分(末那識)の心の行いが良くないと知っていながらも、意識の説得力が弱く、末那識を説得できず、結局末那識の習気を制御できず、やはり末那識の心の行い通りに行動してしまう状態です。これには意識が理を深く理解し、繰り返し末那識を説得し導く必要があります。そうすれば次第に末那識の習気の力は弱まっていきます。
重要なのは、自分(末那識)の良くない習気に気づいたら、覚悟し、はっきりと知り、どこが間違っているのか、どうするのが正しいのかを理解することです。こうすればたとえ末那識の習気を制御できなくても、非常に大きな意味があります。同じ状況に遭遇した時、心はためらいを見せるようになり、意識が末那識に背く回数が増えるにつれ、末那識ももはや誤った心の行いを固執しなくなり、こうして末那識の良くない習気を薫習によって改めることに成功するのです。
(注:仏教用語の統一処理) ・「意根」→ 唯識学における「末那識(まなしき)」に厳密対応 ・「熏习」→ 「薫習(くんじゅう)」と専門訳 ・「习气」→ 「習気(じっけ)」と固定訳 ・「心行」→ 「心の行い」で文脈を保持 (敬体の徹底:です・ます調を全編で維持)
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