西洋の心理学者は、潜在意識に物事を記憶させる最良の方法は、半睡状態または睡眠に類似した状態に入ることであると述べています。この状態では、意識的な努力が最小限に抑えられ、全ての想念が映像を通じて静かで受動的、かつ受け入れやすい形で潜在意識に伝達されます。
これは末那識(まなしき)を催眠状態に導く優れた方法です。我見(がけん)を断ち煩悩を降伏させる際、この自己催眠法を用いることが最も迅速かつ効果的な手段となります。自己催眠は直接的に末那識に五蘊(ごうん)の無我性を了別・受容させることが可能です。
リラックスした状態、静寂時、うとうととする瞬間、あるいは覚醒直後——これらの状態には禅定(ぜんじょう)が存在し、心が散乱せず、同時に意識も保たれています。意識の思考力は比較的微弱ですが、了別作用を有し、その作用力は小さいながらも末那識を観察し、情報を伝達することが可能です。この時、末那識の作用は平時よりも顕著かつ強力に現れます。従って、この瞬間に末那識を影響・説得・薫染し、変容させるのが最良の機会となります。
我見を断つ観行(かんぎょう)もまた、この状態下で最も効果的に行われます。禅定が存在し、意識が保たれ、末那識の作用力が強く、影響を受けやすいため、五蘊が「我」ではないという思想観念を末那識に伝達・注入し、末那識に認可・受容させることが可能となるのです。
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