推理や推論を行う心は意識であり、推論を進める際に表面に浮かぶ思考は意識の働きであります。しかし同時に、意根も背後で深く思量を重ねております。この二つの識は同時に作用しており、意根がなければ意識は推論を行うことができません。ある程度定まった状態においては、意根がより強く働き、自ら思量する心理活動を持つことで、正しい結論を導き出すことが可能となります。そうして得られた結論に対し、意根は非常に確固たる認証を与えるのであります。
夢を見る際には独頭意識が夢境を了知しております。目覚める時は五俱意識が先に覚醒し、その後で五識が現れます。夢を回想する際には独頭意識がこれを追想しますが、夢中の独頭意識とは若干の差異が生じ、更に記憶力の問題も相俟って、独頭意識は夢境を完全に明瞭に回想することが叶わないのであります。
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