原文:大王よ。かの無辺称王は、さらにまた思惟した。わが所有する善根の力をもって、四天下に遍く妙なる花を降らしめんと。この念いをなした後、四天下に種々の上妙なる天花を雨のように降らせた。
釈:仏は説かれた。大王よ、無辺称王は再び心に念う。『私の持つすべての善根の力によって、四天下全体に遍く妙なる花の雨を降らせよう』と。この心の念いが生じた後、四天下には種々の非常に妙なる天花が雨のように降り注いだ。地上の花は美しさに欠け、天上の天花と比べると粗末に見える。天上の花は非常に妙なる殊勝さを持ち、香りや色彩も人間界のものよりはるかに優れている。しかしながら、無辺称王もこの行為によって自らの極めて多くの福德を消耗する。彼は無量の諸仏の元で積んだ福德を全て現わし出し、蓄えを残さない。一旦如来蔵に蓄えがなくなれば、その福德は消失し、行う一切のことが成就しなくなる。したがって、私たち仏教徒は随意に自らの福德を消耗してはならない。できるだけ享福を控えめにし、成仏の時に備えて取っておくべきである。
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