無我という二文字には、二つ以上の異なる意味があり、文脈によって異なる意味を表します。これらの意味を明確にしなければ、無我が一体何を指すのかを理解できず、どのように修行に取り組むべきかを知ることもできません。末那識(七識)における無我は、一つには不生不滅の性質がないことを指し、一つには阿頼耶識(八識)のような空性がないことを指し、一つには主宰性がないことを指します。阿頼耶識(八識)における無我は、一つには末那識のような自我性・利己性がないことを指し、一つには末那識のような主宰性・主体性がないことを指します。
これらの概念をはっきりさせて初めて、「我」と「無我」の真実の意味を理解し、自らの修行を導くことができます。これらの概念から抜け出すことも、容易なことではありません。
一つの名詞概念に複数の意味がある場合、その意味を明確にせずに曖昧なままでは、修行に取り掛かることができません。例えば「真実」という言葉は、文脈によって異なる意味を表します。一つの意味は不生不滅の真実の相である阿頼耶識(本来から存在するもの)を指し、もう一つの意味は世俗法において事実に合致する相(生滅する法であり、本来の法ではない)を指します。
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