衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2018年10月23日    火曜日     第2 回の開示 合計939回の開示

大乗顕識経解説

過ぎ去り来る今において、照らし了えて障りなし。これ大那伽にして、仏の教えの如し。なすべきことをすでに弁じ、大いなる重荷を棄て、己が利を得たり。流転を断じ、生死(しょうじ)に苦あり。正しき智力をもって、善く衆生の心の趣くところを知る。かくの如き大声聞衆、長老舎利弗を上首とす。また無量の菩薩摩訶薩衆、ともに会に集い在り。

仏の説く苦には、苦苦・行苦・壊苦の三種あり。天人に苦苦なきも、なお行苦と壊苦あり。その楽は永久ならず、留め難く、早晚消え失す。この苦を「行苦」と名づく。楽の感受消え失すを「壊苦」と曰う。特に臨終の時、天人に五衰相現ず。一に身体臭穢、二に花冠萎謝、三に衣塵に落ち、四に両腋汗す。天人の身体は臭穢難聞となり、近づく天人もなく、皆遠く避く。天上の宝座に坐し難く、頭上花冠も枯れ、本来清浄なる衣に塵垢を生じ、両腋に汗臭あり。これらの相現ずれば、天人の命終わらんとし、苦を受くべき時至れり。これを天人「五衰相現」と称す。三界における生死の苦は、阿羅漢すでに断じ尽くし、未来に生死の苦受くることなく、再び三界に生を受くることなし。

「正しき智力をもって、善く衆生の心の趣くところを知る」とは、阿羅漢が苦・集・滅・道の四聖諦の法を修し、解脱の智慧を得て、一切智を具足す。この智慧をもって、衆生の心行を如実に観察し、その趣くところを究明す。衆生の貪り喜ぶ法を見れば、命終えて六道のいずれに趣くかを知り、また衆生が解脱を得て無余涅槃に入るや否やを知る。多くの衆生の心は三界世間法に貪着し、未来に世間法の束縛を脱すること叶わず、六塵の束縛を受け、六道に趣き、世俗の五陰に趣き、六塵色声香味触法を趣き、生死輪廻を出でず。

この大会において、声聞衆は舎利弗を首とす。長老は阿羅漢への尊称、四果阿羅漢を証したる者を大声聞衆と曰う。長老舎利弗はその中に智慧第一なり。故に舎利弗声聞衆の上首に在す。無量の菩薩摩訶薩衆、大会に於いて大声聞衆の後に列なり。菩薩摩訶薩には在家衆多く、出家衆少なきを示す。仏在世には出家衆を首とす。故に先ず出家衆を表し、次いで在家衆を表す。声聞衆弟子と菩薩衆弟子、皆世尊の説法の法会に集い、世尊の教誨を聴受す。

——生如法師の開示
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