楞伽経原文:大慧よ。スローハン(一来)の相とは何か。色相に対する妄想を即座に看破し、生じる相も見る相も生じず、禅定の趣きと相を巧みに見極めるがゆえに、この世に頓来して苦の終末を尽くし、涅槃を得る。これをスローハンと名づく。大慧よ。アナガーミン(不還)とは何か。過去・未来・現在の色相は、その本性において実体なきことを悟り、生じる見解の過患によって妄想を生ぜしめず、かつ結びを断つがゆえに、アナガーミンと名づく。
釈:仏は説きたもう、大慧よ、二果であるスローハンにはどのような相貌があるか。スローハンは人と接触する際、即座に自他の色身の相を見透かし、色身に対する妄想を持たず、その無生(実体として生じないこと)を知り、真実の出生がなく、その相は苦・空・無常・無我であることを見るやいなや即座に悟り、意識による思惟を必要としない。意根は初果の時点ですでに知っており、さらに修行を重ねて二果に至るとき、より深く透徹して知る。スローハンは禅定の相貌とその趣向を観察することを善くし、命終すると天界に生まれ、再び天界から直接人間界に戻り、苦の際を滅尽して有余涅槃を証得する。それゆえにスローハンと称するのである。
大慧よ、三果であるアナガーミンとはどのような相貌か。アナガーミンは過去・未来・現在の色身の相が、その本性において自体性なきことを知り、色身が生じる過患を見ることができ、妄想によって色身を我および我の所有物とする過患を知り、色身の相に対して妄想を持たず、加えて初禅定の力によって、一切の貪欲と瞋恚の現行する煩悩を断除する。それゆえに三果のアナガーミンと称するのである。
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