原文:種有るが故に。色香味有り。識は身を棄捨し、其の遷る所に随う。諸根の境界。受及び法界。皆悉く之に随う。
釈:種子が存在するが故に、色声香味触の六境が生じる。阿頼耶識が現世の色身を棄捨した後、六境の種子は阿頼耶識に随って新たな色身へと転移する。新たな色身において眼根の境界たる色法が現れ、耳根の境界たる声法が現れ、鼻根の境界たる香法が現れ、舌根の境界たる味法が現れ、身根の境界たる触法が現れ、意根の境界たる法塵が現れる。かくして六識はこれに従って生起し、受覚の法界もまた生起する。六根・六境・六識の十八法界が全て顕現するが、これこそが完全なる衆生の相である。
0
+1