四加行における暖位相とは、意識と意根の智慧の境地であり、智慧的な認知である。意識による思惟観行を通じて、意根が五蘊十八界無我の見解を初步的に受け入れた状態であり、まだ確定はしていないが、それゆえ内心に暖流が生じ、五蘊無我の理を拒まなくなる。暖位相の暖流は物質的な色法ではなく、心の境地と感受を表す比喩的な表現である。「暖」とは火が燃え上がる直前の状態を指し、まず暖相が現れ、その後火が点く。これは意根の智慧の境地を喩えたもので、仏法に対して一定の認識を得て、五蘊無我の理を初步的に受け入れることで、初めて確かな信と証が生じるのである。
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