四念処経講話 第二版(新修)
第五章 観法而住(かんぽうにじゅう)
本章では全部で五種類の法の観行(かんぎょう)について説かれており、いずれも小乗の見道(けんどう)に関して修行すべき内容です。深く修行を進めれば、見道にますます近づくことができます。実際に修行を始める際には、まず障り(五蓋:ごがい)を取り除く修行を工夫し、遮障(しゃしょう)が除去されて道業(どうごう)に妨げがなくなって初めて、修行は円滑に進みます。五蓋の観行によって遮障を去った後、世尊はさらに五取蘊(ごしゅうん)の観行を教え、続いて十二処(じゅうにしょ)、十八界(じゅうはちかい)の観行を示されます。五蘊十八界を観行する際には同時に七覚分(しちかくぶん)を理解しなければならず、修行証果の過程において必ず七覚分が起こり、初めて理に適い法に叶った修行となります。七覚分を観行した後は、正しく修行を実践し、苦集滅道(くじゅうめつどう)の四聖諦(ししょうたい)の法を修行します。この四聖諦の法に対しまして、一つ一つに心を起こし思惟観行しなければならず、ようやくその後に証道(しょうどう)できるのです。よってこれらの法はすべて重要であり、いずれも涅槃(ねはん)へと趣(おもむ)くことができるのです。