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阿含経十二因縁釈

作者: 釋生如 分類: 二乗解脱 更新時間: 2025-02-27 閲覧回数: 1435

第四節 四食と十二因縁の関係

(三七一)四種の食の集

原文:爾時、世尊は諸比丘に告げられた。四種の食あり、衆生を資益し、住世を許し、摂受し長養する。何等を四と為す。一に粗摶食、二に細触食、三に意思食、四に識食なり。

釈:世尊は比丘たちに告げられた。四種の食が衆生の生命体を滋養し助益し、衆生をして資助増益を得させ、世間に住し、摂受と滋養を得させるのである。第一の粗摶食は粗雑な四大より成る飲食であり、色身を滋養し生命を維持する。第二の細触食は微細なる触食であり、六根が六塵に触れ、六根・六識・六塵の三者和合の触を食とする。第三の意思食は意識と意根の思量を食とし、第四の識食は識心の持身作用を食とする。

粗摶食は欲界の人間と畜生が摂取するもので、咀嚼により身体に吸収される。微細な色身は禅定によって維持されることもある。触食は根塵の接触を必要とし、五蘊の運行を可能にする。意思食は意根の不断の思量により五蘊を維持し、識食は八識の持身作用に依る。

原文:此の四食は何を因とし何を集とし、何より生じ何に触るるや。此の諸食は愛を因とし愛を集とし、愛より生じ愛に触る。此の愛は何を因とし何を集とし、何より生じ何に触るるや。愛は受を因とし受を集とし、受より生じ受に触る。此の受は何を因とし何を集とし、何より生じ何に触るるや。受は触を因とし触を集とし、触より生じ触に触る。

釈:四食は愛を根源とし、愛は受に依り、受は触に依る。触は六入処を因とし、六入処の集が触を生じ、触が受を生じ、受が愛を生じ、愛が食を生ず。食が集まる故に未来世の生老病死憂悲苦悩が集起する。

原文:此の触は何を因とし何を集とし、何より生じ何に触るるや。触は六入処を因とし、六入処を集とし、六入処より生じ六入処に触る。六入処の集は触の集なり。触の集は受の集なり。受の集は愛の集なり。愛の集は食の集なり。食集まるが故に未来世の生老病死憂悲苦悩集まる。かくの如く純大苦聚は集起す。

六入処滅すれば則ち触滅す。触滅すれば則ち受滅す。受滅すれば則ち愛滅す。愛滅すれば則ち食滅す。食滅するが故に、未来世の生老病死憂悲苦悩滅す。かくの如く純大苦聚は滅尽す。

(三七二)四食と十二因縁の関係

原文:爾時、世尊は諸比丘に告げられた。四種の食あり、衆生を資益し、住世を許し摂受長養す。何等を四と為す。一に粗摶食、二に細触食、三に意思食、四に識食なり。

釈:世尊は四食が衆生を維持し、十二因縁と深く関連することを説かれた。

原文:時に比丘頗求那、仏の後ろに住して扇ぎ、仏に白しき。世尊、誰か此の識を食するや。仏は頗求那に告げられた。我は識を食する者ありとは説かず。若し我が識を食する者ありと言わば、汝は是の如く問うべきなり。我は識を食と為すと言えり。汝は何の因縁を以て識食あるやと問うべきなり。我は答えて言わん、能く未来の有を招き、相続して生ぜしむるが故なり。

釈:仏は主宰的な食者を否定され、識食が未来世の有を招く因となることを明示された。

原文:有あるが故に六入処あり。六入処は触に縁る。頗求那復た問えり。誰が触るるや。仏は頗求那に告げられた。我は触るる者ありとは説かず。若し触るる者ありと言わば、汝は是の如く問うべきなり。汝は何の因縁を以て触生ずるやと問うべきなり。我は是の如く答うべし、六入処を縁として触生ず。

釈:触は六入処を因とし、主宰者なき縁起法であることを示された。

原文:触は受に縁る。復た問えり。誰が受くや。仏は頗求那に告げられた。我は受くる者ありとは説かず。触を縁として受あるなり。受は愛に縁る。復た問えり。世尊、誰が愛するや。仏は頗求那に告げられた。我は愛する者ありとは説かず。受を縁として愛あるなり。

原文:愛は取に縁る。復た問えり。世尊、誰が取るや。仏は頗求那に告げられた。我は取る者ありとは説かず。愛を縁として取あるなり。取は有に縁る。復た問えり。世尊、誰が有するや。仏は頗求那に告げられた。我は有する者ありとは説かず。取を縁として有あるなり。

原文:有あれば六入処あり。六入処は触に縁り、触は受に縁り、受は愛に縁り、愛は取に縁り、取は有に縁り、有は生に縁り、生は老死憂悲苦悩に縁る。かくの如く純大苦聚は集起す。六入処滅すれば則ち触滅し、触滅すれば受滅し、受滅すれば愛滅し、愛滅すれば取滅し、取滅すれば有滅し、有滅すれば生滅し、生滅すれば老死憂悲苦悩滅す。かくの如く純大苦聚は滅尽す。

釈:十二因縁の法には主宰者なく、全ては因縁生起の仮象であることを明らかにされた。衆生の生死流転は四食への依存に依り、禅定による解脱は此の依存を減じ、第八識への執着を離れることを究極の目標とされる。

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